投資信託で積み立てを始めたいけれど、「銘柄の選び方がわからない」という声はとても多いです。このページでは、初心者の方が投資信託の銘柄を選び、積み立て設定を行うまでの流れを、基本からやさしく解説します。

投資信託でつみたてるメリットを理解する

投資信託で積み立てを行うメリットは、「少額から世界中に分散投資ができること」と「自動積立で手間をかけずに続けられること」です。

1本の投資信託の中に、国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)などが組み合わされている商品も多く、個別株を一つひとつ選ばなくても幅広く分散しやすくなっています。また、毎月一定額を自動で購入する仕組みを使えば、忙しい人でも手軽に長期投資を続けやすくなります。

投資信託の基本タイプをおさえる

銘柄選びの前に、投資信託の大まかなタイプを理解しておくと、迷いにくくなります。

インデックスファンドとアクティブファンド

インデックスファンドは、日経平均株価や世界株の指数など、市場全体の動きを示す指数に連動する運用を目指す投資信託です。運用コスト(信託報酬)が低めで、長期の積み立てに向いているとされます。

アクティブファンドは、運用の専門家が銘柄を選び、市場平均を上回るリターンを狙うタイプです。指数を上回る可能性がある一方で、信託報酬が高めになりやすい点や、結果が指数を下回る場合もある点には注意が必要です。

投資対象地域や資産クラス

投資信託は、「日本株」「先進国株」「新興国株」「世界株」「バランス型」など、投資対象の地域や資産の組み合わせによっても分類されます。初心者のうちは、世界全体に分散投資するインデックスファンドや、株式と債券を組み合わせたバランスファンドを中心に検討するケースが多くなっています。

銘柄選びでチェックしたいポイント

具体的な投資信託を選ぶ際は、次のポイントを押さえておくと比較しやすくなります。

信託報酬(運用コスト)の水準

長期で積み立てるほど、毎年かかる信託報酬の差が最終的な成果に影響します。同じような指数に連動するインデックスファンド同士で比較し、より低コストのものを選ぶのが基本です。

純資産総額と設定からの年数

純資産総額が一定以上あり、設定から数年以上経過している投資信託は、投資家からの資金が集まり、ある程度実績が蓄積されていると考えられます。ただし、過去の運用成績が将来を保証するものではない点には注意が必要です。

つみたて投資に適した商品かどうか

新NISAのつみたて投資枠で利用できる商品や、金融庁の基準を満たした「つみたてNISA対応ファンド」は、長期投資向きの商品として一定の条件をクリアしています。候補を絞る際の目安として活用できます。

実際に銘柄を選んでつみたて設定をする流れ

ここでは、一般的なネット証券を例に、銘柄選びから積み立て設定までの基本的な流れを整理します。

  1. 証券会社のサイトまたはアプリでログインする
  2. メニューから「投資信託」や「ファンド検索」を選ぶ
  3. 「つみたてNISA対象」「インデックス」などの条件で絞り込み検索を行う
  4. 気になるファンドの詳細ページを開き、「投資方針」「信託報酬」「純資産総額」「過去の基準価額の推移」などを確認する
  5. 購入したい銘柄が決まったら、「積立注文」または「つみたて設定」のボタンを選ぶ
  6. 毎月の積立金額・引き落とし日・ボーナス増額の有無などを入力し、内容を確認して注文を確定する

最初から完璧な銘柄選びを目指す必要はありません。少額から始めてみて、自分がどの程度の値動きなら落ち着いて見ていられるかを体感しながら、後から見直していくスタンスでも問題ありません。

複数の銘柄を組み合わせるときの考え方

慣れてきたら、複数の投資信託を組み合わせて積み立てることも検討できます。

「コア」と「サテライト」を意識する

世界株インデックスなど、幅広く分散されたインデックスファンドを「コア(中心)」として大きな比率で持ち、特定の地域やテーマに投資するファンドを少額だけ「サテライト」として組み合わせる方法があります。こうすることで、全体としての安定性と、成長性への期待の両方を意識したポートフォリオを作りやすくなります。

積立額の合計が無理のない範囲に収まっているかを確認する

銘柄数を増やしすぎると、合計の積立額が大きくなり、家計を圧迫しかねません。毎月の積立額の合計が、収入と支出のバランスの中で無理のない範囲に収まっているかを、定期的に確認しましょう。

自分に合った「ほどよいリスク」を探しながら続ける

投資信託の銘柄選びには正解が一つだけあるわけではなく、「自分がどの程度の値動きなら受け入れられるか」を見つけていく作業でもあります。分散投資しやすい投資信託をうまく活用しながら、少額から試し、必要に応じて銘柄や積立額を見直すことで、自分に合った投資スタイルを育てていくイメージで続けていきましょう。

出典:RetireWiki.jp「NISA」金融庁「NISA制度の概要」